例)成年後見・保佐・補助の申立、任意後見契約、財産管理契約、相手方や行政機関との交渉等
Q1.成年後見制度
一人暮らしの母に認知症の症状が出始め、財産管理があやしくなっています。
誰かに騙されてしまうのではないかと心配です。どうしたらよいでしょうか。
A.
判断能力が不十分な方のための「成年後見制度」を利用することができます。
お母様の現時点での判断能力に応じて、補助人、保佐人、後見人という3段階の援助者を家庭裁判所に選任してもらうことができます。
それらの援助者をつけておけば、お母様がしてしまった契約などの法律行為は、後で取り消すことができる場合があります。
Q2.任意後見契約
今は元気なのですが、私もいつ認知症になってしまうかわかりません。
元気なうちに、私の信頼できる人に老後のことを託したいと考えているのですが、いい方法はありませんか。
A.
ご自身の信頼できる人を選んで「任意後見契約」を結んでおくことをお勧めします。
任意後見契約を結んでおけば、いざ判断能力が不十分になった時に、ご自分の信頼できる方に、身の回りの世話や金銭の管理をゆだねることができます。
Q3.後見人候補者
ひとり暮らしで後見人を頼めそうな親戚もいないのですが、私のような場合、後見人をつけることはできないのでしょうか。
A.
親戚の中から後見人候補者が見つけられなくても、知人や弁護士を後見人候補者として指名することができます。仮に、そのような候補者がまったくいらっしゃらない場合でも、成年後見開始の審判を家庭裁判所に申し立てれば、裁判所が持っている後見人候補者名簿の中から適切な人を後見人に選んでくれます。
Q4.後見人の報酬
後見人などを付けた場合、その人に報酬を払わなくてはならないのでしょうか。
A.
原則として無報酬です。もっとも、後見人などに就いた人が報酬付与の申立てをした場合には、家庭裁判所がご本人の資産や業務内容を考慮して、無理のない範囲で報酬が定められる場合があります。
成年後見人が、通常の後見事務を行った場合の報酬の目安は、月額2万円です(平成25年1月現在)。ご親族が後見人の場合には、原則として無報酬です。
Q5.高齢者虐待
高齢になった兄が無職の甥と二人で暮らしているのですが、甥から虐待を受けていると兄から相談を受けています。
どうすればよいでしょうか。
A.
高齢者の虐待と判断した場合には、直ぐに市区町村へ通報することをお勧めします。
通報を受けた市区町村は、場合によっては、立入検査や一時的な保護措置をとること、保護施設に入所させたりすることができます。
また、高齢者の財産を不当に処分する経済的虐待の場合には、市区町村長が成年後見の申立をし、財産を第三者に管理させることもできます。